文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第2版)」のポイント

文科省「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」

何度も読んでみると、これ、お世辞でなく、結構いい方向にまとまっていると思います。いかにポイントをまとめていきます。

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【理論的なポイント】
●プログラミング教育は資質能力「情報活用能力」の中に包含。コンピュータの仕組みの理解も大事。

→ICT活用の延長上にあると考えればいい(気持ち的には楽では?)。そしてコンピュータの「理解」と「活用」の両輪が回ることが大事。「利用と活用を貫く軸」がプログラミング。プログラミングだけやれば良いわけではなく、タブレットでお絵描きしたり、検索できたり、文章やポスターを作ったりする事も求められている。

 

●プログラミング教育の3観点。これは順番がある!

【知識及び技能】身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
【思考力、判断力、表現力等】発達の段階に即して、「プログラミング的思考」を育成すること。
【学びに向かう力、人間性等】発達の段階に即して、コンピュータの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること。

→一見並列のように見えますが、これは順番が(間違いなく)ある。
「知って、できて」→「使いこなして」→「活用しようとする」
使いこなせないうちの「道具の活用方法を考えよう!」は教師側の押しつけの空論ですよね。大人都合にならないよう、子どもたちの発達段階となだらかな習熟に沿ったカリキュラムを組むことが大事!

 

【実践的なポイント】
●分類と様々なプログラミング環境が柔軟に表記された。

→「C分類などで慣れる→A分類でプログラミングを活用して学ぶ」という、ごく当たり前の流れが示されたのは大きい。

→事例の追加や、ビジュアル・テキスト言語の同等の扱いと、「プログラミングに関する多様な学習機会が、児童の興味・関心等に応じて提供されることが望まれる。」という、柔軟な対応を文科省が認めている。

 

【まとめ(私見・希望・懸念など)】
・プログラミングは子どもたちにとっての鉛筆や定規と同じような選択できる「道具」となるべき。
・GIGAスクールなどで一人一台PCが進められるという事は様々な道具を子どもたちが手に入れる機会。大人の都合で制限をかけるべきではない(もちろん情報モラルに触れる内容などは必須)。
・検索(初めて)と文字入力(不慣れ)のような、2重苦を強いるような実践は避けたい。プログラミングと日本語入力なども同様。丁寧に、楽しみながらICTに慣れ親しみ、仕組みを理解していくような、穏やかな導入を目指して欲しい。(竹早小の担当クラスは半角英数でプログラミング等を十分に楽しんでアルファベットと数字キーの位置を完璧にしてから、ローマ字表を与えることで、日本語入力を一気にマスターしてます)
・お絵かき・文書作成・検索等と同じようにプログラミングを使いこなせるようになれば、3観点を子どもたちが主体的に網羅してしまう。
・いつでも子どもたちがコンピュータが使える環境整備と教師側のマインドが大事。

 

↓文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_02_1.pdf