プログラミング教育って何ですか?

今年度に入り、東京都内や各都道府県の教育委員会さんで小学校でのプログラミング教育必修化に向けての教員研修をすることがさらに多くなっています。具体的な事例を聞きたいようで、どの団体でもスムーズに離陸できるような内容をお伝えしたいと思っています。

よく聞かれるのが「プログラミング教育って何ですか?」という事です。多い質問に対しての答えを以下に抜粋して書きます。(新学習指導要領の枠の中での話です)


・プログラミングの教科はできません。各教科や総合的な活動の時間で実施します。

・プログラミングの活動が公的文書で位置づけられているのは大きく2点です。1つは「情報活用能力の育成」の中に位置づけられた、「情報の科学的理解」への位置付け。もう1つは、教科の内容の理解に活用しながら、「プログラミング的思考」を養うという位置付け。
・各教科において、プログラミングができた。できないの評価は(基本的には)しません。評価するのは各教科の内容に関してです。
・総合的な活動の時間でやる場合には、情報活用等の評価基準に対する評価を記述等で行うことは可能です。

・具体的な事例は「未来の学びフォーラム」をはじめ、新しい認定教科書にも事例が掲載されています。

もっと、簡単にまとめると・・

●教育活動全体での「ICTの活用」は旧学習指導要領から言われてきたこと。

●プログラミング教育は「ICTの活用」をさらに発展させたということ。

●コンピュータを活用(ソフトウェア等を使って)するのに加えて、情報の科学的理解(コンピュータの原理)というコンピュータサイエンスの文脈が小学生の内容に盛り込まれたということ。
●活用(ソフトの利用)と、原理(コンピュータサイエンス)の両輪を回すための、軸になるのがプログラミング教育。両輪を回して、教育活動を推進しましょうというのが、プログラミング教育の意味。

それをつくるためには

①ICTがいつでも自由に使える環境(ペンやハサミと同じようにコンピュータが使える)

②基本的なスキル(文字入力やファイルの管理等)

③先生が率先して活用する様子を見せる

プログラミング教育の前に、実はICTを使いこなしておかなければ、子どもたちにとって、プログラミングは面倒な道具になってしまいます。

 

様々な実践例が、各学校でも行われるようになりましたが、

◎子どもが楽しんでプログラミングの活動をしているという事。

◎その楽しみは、思考錯誤した先に「わかった」「できた」という喜びから生まれるものであるという事。
◎どの子もできた!またやってみたい!便利!と思わせる事。

 

このあたりが担保できている活動であれば、現状において、小学校段階では十分なのではないかと思います。